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連載第4回 与進中学校 吹奏楽部に行ってきました!
- 音楽系
- 2007年10月04日
8月に行われた全日本吹奏楽コンクールの東海大会で銀賞に輝いたこのチームを取材しました。10月6日にいよいよ最終の全国大会に出場します。
♪♪音楽室では既にそれぞれのパートの音合わせが終わり、全体の音合わせに入っていました。
職員室でいろいろな話を顧問の宮津先生からお伺いしていると、
部長が「先生、やれるところまで準備が終わりました。みにきてください。」と、緊張した面持ちで先生を呼びに来ました。音楽室に入ると、一斉に全員が立ち上がり、「こんにちは」「よろしくお願いします」
と私にスゴイ迫力で挨拶してくれました。
先生は指揮をするまえに、
「お前たちいいか。今ここで楽器を吹けることに感謝しろ。仲間がいて、応援してくれる親がいて、地域があって、そしてはじめてこの環境があるのだぞ。忘れるな。」
と話されました。
そして練習が始まりました。
宮津先生は、数日前に体調を崩してこの日は実は4日ぶりの部活動だったそうです。
4日ぶりに聴く生徒の演奏は、予想外に?よかったようでこの日の練習は「お前たち、がんばったな」「俺がいないほうがいいのかなあ?」の連呼でした。
与進中学校の吹奏楽部は、かなりすごいらしいのです。
どこがすごいのか。
1. 大会前になると練習は土日とも朝から夕方遅くまでずっとある
2. 先生の熱心さが半端ではない
3. チームを乱そうとする生徒に対して徹底的に怒る
4. 65人の部員は、みんな(文句も言わず)ついていっている
5. 地域(とりわけ父兄会や卒業生なども含めた)の強い応援がある
運動部よりも肉体的にも精神的にもきついのではないかと思ったほどです。
全体の音調整の具合を先生が聴いている間に掲示してあった部員通信を読みました。
<何の為に毎日練習してがんばっているのか?>
メンバーにしか出来ない後悔の残らない演奏をして少しでもいい結果につなげる為!!
<宮津先生から>
いつも怒ってばかりいて申し訳ないと思っていますが、先生は君たちの夢(思い)を現実の音に変えたいと思っているだけです。君たちにはあと想像力を豊かにしてもっと「シンデレラ」(自由曲の名前)の気持ちなり、青空の様子なりをどういう音であらわすのがいいか考えて欲しい。それが曲に命を吹き込むってことだからね。もっとハートで音楽をしよう。
<パート別 決意表明>
◎思いやりをきちんともち、自分勝手に吹かない。
◎悔いの残らない演奏をする!!!
その為にはまずメロディーうらのハーモニーをきちんと決める!!!!!
◎決めるところは決めて、仲間と一つの演奏を精一杯する。
などとかかれていました。
そしてほかの壁には
安定感
安心感 → 感動
五感
音色 発音
音の長さ ブレス
音形 音程
処理 音量
と書いた紙が掲示されていました。
10月6日の全国大会で演奏する曲の練習が始まりました。
課題曲 アルフォード作曲「ナイルの守り」(短調系)
自由曲 プロコフィエフ作曲(バレエ組曲)「シンデレラ」
「シンデレラ」は、ストーリーに合わせた組曲から4曲を選んだそうなのですが、曲調はそれぞれちがっており、中学生が取り組む曲としては難曲だそうです。でも、エンディングがとてもドラマチックで、あのかっこいい部分をこの生徒たちに演奏させてやりたい、この生徒たちなら、演れるところまで成長できると信じて先生は選曲をされたそうです。
「シンデレラ」の組曲がクライマックスに。
重低音の大太鼓「ドドドドドドォ〜」に呼応して、他全ての楽器も高い音に変わっていき、更にクレッシェンドされた時、お腹の底が泡立って広がっていくような、体の奥に潜んでいた情熱が呼び起こされていくような、感じがしてきました。メロディーを聴きながらつい「シンデレラ」の気持ちを考えてしまい涙が出そうになりました。
音の迫力だけではない何か心に迫るものを感じた瞬間だったと思います。
一通りの曲の演奏を終え、先生は「よくなった」といいつつも、
「次の音、次のメロディーを追いすぎて一音一音の処理が出来ていない」
新たな修正が加えられ、この曲は大会当日まで進化し続けていきそうです。
恒例の先生からのメッセージ
「自分達を支えてくれる人達を大切にして。
自分本位でいることは美しい姿ではない。」
どこまでも相手を思いやり、育てようとする熱い先生からのメッセージでした。
取材 本間
〜次は日体中学校サッカー部の取材予定です。〜
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