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連載第11回 高台中学校 水泳部へ行ってきました!

生徒  「取材はどうして私たちの部なんですか?
      もっと強い部は他にあるのに・・」
本間  「練習をひたむきにやっている
      良い部があると聞いたから・・」
生徒  「そういうことか。
      ひたむきという点ではそうかもしれない・・」

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4時頃プールサイドに行くと、
既に25mプールの往復が始まっていました。
まだ日差しがまぶしく、
プールで泳いでいるのがとても気持ち良さそうに見えました。

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本日は大会前のメニューということで、
普段の距離は泳がず、
コンディションを整える位しか泳がないのだそうです。
それがどれ程かというと、「3500m!」です。
25mプールを70往復です。

では普段がどれくらいかというと「6500m!!」なのだそうです。
25mプールを130往復!!です。
50mを1分のペースで泳げば2時間10分、
理論上は4時からでも6時30分までには泳ぎきれます。

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それを聞いただけで、
既に泳いでいる13歳・14歳・15歳の部員が
スゴイ人のように見えて仕方ありませんでした。

<顧問の鈴木悟先生>

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民間の会社に勤務した経験もある鈴木先生は、
現在中体連の水泳競技部長も兼務されています。

先生が高台中に赴任された6年3ヶ月前は
練習に対して熱心ではない部員が多く、
部の雰囲気を変えるのに時間がかかったそうです。

先生  「君たちは部活で体力づくりをしたいのか、
      それとも、強くなりたいのかどっちだ?」
生徒  「本当は強くなりたいです。」
先生  「じゃあ今のままではダメだ。
      もっと厳しくやらないと強くはなれない。
      厳しい練習をするけどいいか?」
生徒  「いいです。」
先生  「じゃあ、やろうぜ。」

ということで、
高台中の練習はみっちりトレーニングをする部となり、
大会成績も徐々に上がっていったそうです。

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この経験から先生は
「中学生の水泳で必要なものは、練習量である。」を確たる信念として
「情熱」のある指導で、生徒の「やる気」を引き出すようになったそうです。

泳ぎの経験のある生徒でも、
中学ではじめて泳ぎ込むことが多いので、
練習した分だけ記録が伸びていきます。

この結果がとてもおもしろく、
生徒も先生も部活に気持ちが入っていくのだそうです。

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本間  「生徒の泳ぎを見ると、力を抜いているかどうかすぐ分かりますか?」
先生  「分かります。タイムが落ちますから。」
先生  「もしいつもより5秒遅ければ5秒分力を抜いたか、体調が悪いかです。」
先生  「他の球技や団体競技に比べて決定的に違うのがそこです。
      チームメイトや天候での影響はほとんどないので、
      試合でも番狂わせが少ないと思いますよ。
      プレッシャーに負けるとか、慌てるとか、
      メンタルな部分で勝敗が変る事はありますけどね。」

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キラっと眼鏡を光らせながら話す、
先生の論理的な説明に思わず大きくうなずいてしまいました。

“高台中の水泳部は結構厳しいらしい”のに、入部をした生徒さんに聞きました。

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本間  「順位とタイムどっちにこだわる?」
女生徒 「断然タイム!!」
本間  「大会で順位が悪くても、ベストタイムが出ていれば納得するって事?」
女生徒 「そうそう。だって仕方ないもん。」
本間  「ところで何で入部したの?練習恐ろしくハードでしょ??」
女生徒A 「仮入部したらなんか抜けられなくなった・・」
女生徒B 「兄弟で水泳やっていたから・・」
本間  「これだけ練習するとお腹減らない?」
女生徒 「スゴイ減る。だから家で思いっきり食べるから太った・・(泣)」

練習の合間の「和み」時間でした。
プールの中からプールサイドにいる私のほうを向いて話してくれる姿が、
みんなとてもかわいかったです。

日に焼けて全身こんがり、
そしてかぶったスイミングキャップの上に水中眼鏡を上げて
“そうだよね”“ああだよね”といいながら話す練習のほんの合間でした。

“そろそろいくぞー”の先生の声に、
談笑もぴたっと終わり、シャキッと水中眼鏡を装着するのでした。

「位置について」

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「ヨーイ・ハイ」

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部活でこれだけやれるなら、
部員たちはさぞ授業中も活発と思いきや、
先生曰く、「結構おとなしい。」のだそうで、
そこがなんともシャイで益々親近感を覚えるのでした。(笑)

とはいえ、「6000m泳ぐ事は他の子にはできない。」という
秘めたる自信があるのも事実で、
授業中にリーダーシップや、快活さは今のところ表出していなくとも、
「いつかは・・」の期待を感じさせるのでした。

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“それぞれ自分のポジションを分かってやっている”

部活の取材で端々に感じたことです。

部員のうち誰が突出するわけでもなく、誰が遅れるわけでもなく
「それぞれ」をひたむきにやっている。
生徒にとって「何でやるの?何故やるの?これってやらされているの?」
などという理由付けは無意味です。

彼らは水泳というシンプルで純粋な「自分たちの場所」を持っているからです。
「自分たちの場所」では、自分が何をすべきか自然と身についてくるのです。

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物事を実行するのに、いちいち理由をつけたがったり、
言葉で表現をしたがったりするのは、もしかしたら大人の悪い癖かもしれません。

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「自分たちの場所」であるがままでいられる「力強さ」「たくましさ」を
この中学生たちを見ていたら強く感じました。

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この日は体調不良で泳げない部員2名がマネージャーをしていました。
ビート板を片付けたり、パドルと呼ばれる水かきのようなもののゴムを補修したり、
泳ぎのタイムを計ったり、一生懸命活動のサポートをしているのも、
見ていてとても気持ちが良かったです。

副顧問の猿田先生も部活には欠かせない存在です。
鈴木先生と、生徒の間の「ゆるい部分」で上手にバランスをとっており、
この部の“いやすさ”を醸し出しているようにも思えました。

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練習が終わりプールに向かって挨拶です。

「プールに挨拶。ありがとうございました!!」

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着替えて集合

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いつものように日がくれていきます。
そしていつものようにまた明日も練習が待っています。

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                        (取材 本間)

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「ガンバレ!部活動」は、浜松地区の中学生のみなさんが、部活動で活躍する様子を紹介するサイトです。

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