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連載第11回 高台中学校 水泳部へ行ってきました!
- 水泳
- 2008年07月25日
生徒 「取材はどうして私たちの部なんですか?
もっと強い部は他にあるのに・・」
本間 「練習をひたむきにやっている
良い部があると聞いたから・・」
生徒 「そういうことか。
ひたむきという点ではそうかもしれない・・」
4時頃プールサイドに行くと、
既に25mプールの往復が始まっていました。
まだ日差しがまぶしく、
プールで泳いでいるのがとても気持ち良さそうに見えました。
本日は大会前のメニューということで、
普段の距離は泳がず、
コンディションを整える位しか泳がないのだそうです。
それがどれ程かというと、「3500m!」です。
25mプールを70往復です。
では普段がどれくらいかというと「6500m!!」なのだそうです。
25mプールを130往復!!です。
50mを1分のペースで泳げば2時間10分、
理論上は4時からでも6時30分までには泳ぎきれます。
それを聞いただけで、
既に泳いでいる13歳・14歳・15歳の部員が
スゴイ人のように見えて仕方ありませんでした。
<顧問の鈴木悟先生>
民間の会社に勤務した経験もある鈴木先生は、
現在中体連の水泳競技部長も兼務されています。
先生が高台中に赴任された6年3ヶ月前は
練習に対して熱心ではない部員が多く、
部の雰囲気を変えるのに時間がかかったそうです。
先生 「君たちは部活で体力づくりをしたいのか、
それとも、強くなりたいのかどっちだ?」
生徒 「本当は強くなりたいです。」
先生 「じゃあ今のままではダメだ。
もっと厳しくやらないと強くはなれない。
厳しい練習をするけどいいか?」
生徒 「いいです。」
先生 「じゃあ、やろうぜ。」
ということで、
高台中の練習はみっちりトレーニングをする部となり、
大会成績も徐々に上がっていったそうです。
この経験から先生は
「中学生の水泳で必要なものは、練習量である。」を確たる信念として
「情熱」のある指導で、生徒の「やる気」を引き出すようになったそうです。
泳ぎの経験のある生徒でも、
中学ではじめて泳ぎ込むことが多いので、
練習した分だけ記録が伸びていきます。
この結果がとてもおもしろく、
生徒も先生も部活に気持ちが入っていくのだそうです。
本間 「生徒の泳ぎを見ると、力を抜いているかどうかすぐ分かりますか?」
先生 「分かります。タイムが落ちますから。」
先生 「もしいつもより5秒遅ければ5秒分力を抜いたか、体調が悪いかです。」
先生 「他の球技や団体競技に比べて決定的に違うのがそこです。
チームメイトや天候での影響はほとんどないので、
試合でも番狂わせが少ないと思いますよ。
プレッシャーに負けるとか、慌てるとか、
メンタルな部分で勝敗が変る事はありますけどね。」
キラっと眼鏡を光らせながら話す、
先生の論理的な説明に思わず大きくうなずいてしまいました。
“高台中の水泳部は結構厳しいらしい”のに、入部をした生徒さんに聞きました。
本間 「順位とタイムどっちにこだわる?」
女生徒 「断然タイム!!」
本間 「大会で順位が悪くても、ベストタイムが出ていれば納得するって事?」
女生徒 「そうそう。だって仕方ないもん。」
本間 「ところで何で入部したの?練習恐ろしくハードでしょ??」
女生徒A 「仮入部したらなんか抜けられなくなった・・」
女生徒B 「兄弟で水泳やっていたから・・」
本間 「これだけ練習するとお腹減らない?」
女生徒 「スゴイ減る。だから家で思いっきり食べるから太った・・(泣)」
練習の合間の「和み」時間でした。
プールの中からプールサイドにいる私のほうを向いて話してくれる姿が、
みんなとてもかわいかったです。
日に焼けて全身こんがり、
そしてかぶったスイミングキャップの上に水中眼鏡を上げて
“そうだよね”“ああだよね”といいながら話す練習のほんの合間でした。
“そろそろいくぞー”の先生の声に、
談笑もぴたっと終わり、シャキッと水中眼鏡を装着するのでした。
「位置について」
「ヨーイ・ハイ」
部活でこれだけやれるなら、
部員たちはさぞ授業中も活発と思いきや、
先生曰く、「結構おとなしい。」のだそうで、
そこがなんともシャイで益々親近感を覚えるのでした。(笑)
とはいえ、「6000m泳ぐ事は他の子にはできない。」という
秘めたる自信があるのも事実で、
授業中にリーダーシップや、快活さは今のところ表出していなくとも、
「いつかは・・」の期待を感じさせるのでした。
“それぞれ自分のポジションを分かってやっている”
部活の取材で端々に感じたことです。
部員のうち誰が突出するわけでもなく、誰が遅れるわけでもなく
「それぞれ」をひたむきにやっている。
生徒にとって「何でやるの?何故やるの?これってやらされているの?」
などという理由付けは無意味です。
彼らは水泳というシンプルで純粋な「自分たちの場所」を持っているからです。
「自分たちの場所」では、自分が何をすべきか自然と身についてくるのです。
物事を実行するのに、いちいち理由をつけたがったり、
言葉で表現をしたがったりするのは、もしかしたら大人の悪い癖かもしれません。
「自分たちの場所」であるがままでいられる「力強さ」「たくましさ」を
この中学生たちを見ていたら強く感じました。
この日は体調不良で泳げない部員2名がマネージャーをしていました。
ビート板を片付けたり、パドルと呼ばれる水かきのようなもののゴムを補修したり、
泳ぎのタイムを計ったり、一生懸命活動のサポートをしているのも、
見ていてとても気持ちが良かったです。
副顧問の猿田先生も部活には欠かせない存在です。
鈴木先生と、生徒の間の「ゆるい部分」で上手にバランスをとっており、
この部の“いやすさ”を醸し出しているようにも思えました。
練習が終わりプールに向かって挨拶です。
「プールに挨拶。ありがとうございました!!」
着替えて集合
いつものように日がくれていきます。
そしていつものようにまた明日も練習が待っています。
(取材 本間)
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