ガンバレ!部活動トップ » がんばる部活紹介 , 音楽系 » 連載第19回 天竜中学校 吹奏楽部へ行ってきました!
連載第19回 天竜中学校 吹奏楽部へ行ってきました!
- 音楽系
- 2008年12月11日
今日は、コンクール自由曲を
初めて全体で合わせます。
<顧問の 宮地 晴之先生>
先生 「ピアノってどんな意味の記号だっけ?」
生徒A 「“小さく”です。」
先生 「他には?」
生徒B 「わかりません。」
先生 「じゃあ冒頭はどうやって吹けばいい?」
全員 「やわらかくですっ。」
〜 ♪♪ 〜
記号の意味を、
正しく幅広く解釈できるように何度も立ち止まります。
ピアノという記号の意味も、
生徒さんは、すでにいろいろな角度から
理解しているようです。
天竜中吹奏楽部の目標は、
先生の言うとおり吹くということでもなく、
感情のままに雰囲気で音楽を作っていくということでもなく、
自分で楽譜を正しく解釈をして、
書いてあるとおりに演奏できるようになることなのです。
<人生に音楽を!>
「人に気持ちを伝える音楽」
「コンクール入賞を競う音楽」
「気持ちを開放させる音楽」
「歴史を含めた知的興味を感じる音楽」
「作曲者の意図を忠実に再現しようとする音楽」
一口に演奏する音楽といっても、
それぞれのモノサシが実は違います。
どの音楽であっても、“追求した”という事実は
他に代えがたいものです。
「全ての楽器の一番きれいな最高の音を
僕が吹けたらいいのですが、全ては難しい。
でも、楽器の魅力は、その音にあるから・・。」
ということで、年に数回、各楽器の専門家をお招きするそうです。
宮地先生が、専門家の先生にリクエストしていることは、
“その楽器のよさを知っている先生が、
生徒にその良さを教えてあげて!”
宮地先生の願いは、
“その楽器を好きになってほしい”
ただ純粋に願っているのだそうです。
<サックスの長瀬先生>
取材2日目。
本日は、サックスの専門家の先生がお越しになりました。
先生 「チューナー(音程をはかる機械)ばかりに頼らず、音程を耳で覚えて!」
生徒 「はいっ」
先生 「楽器は響かせてなんぼなので、音を強くするのではなく、
響きを増やす感じで!」
生徒 「はいっ」
先生 「じゃあ、一緒に吹いてみよう」
生徒 「はいっ」
先生 「自分のお気に入りの演奏家がいるといいよ。
CDを聴くと、いい音が入ってくるから。
その演奏家の音をイメージして練習すれば
上達も早いしね。」
生徒 「はいっ!」
先生の吹くサックスの音色を言葉で表現すると・・
“角のないまろやかな音”
“ベルベットのような光沢感のある音”
“ビロードのようなコクのある音”
どんな表現も何か物足りなく、甘い大人の感じです。
<何を目指すのか>
コンクールは、目標ではなく通過点である。
という位置づけのもとで、練習は続きます。
金・銀・銅の賞の色が問題ではなく、
いい音が出せたかどうかにとことんこだわりたい、
という姿勢は痛いほど伝わってきました。
「なぜそう吹くのか・・。」
“考える音楽”を追求した後に、
その幅の中に感じる部分があるのだと先生はおっしゃいます。
音楽に正解・不正解はありませんが、
学ぶ前と後とで感じ方は確かに異なりそうです。
各パートで練習をしている教室に入るたびに、
全員起立で「こんにちはっ」という挨拶の声です。
生徒さんの礼儀のよさに、こちらも背筋が伸びる思いでした。
そんな真剣な姿勢からも、
音楽を人生のパートナーにしようとしている多くの生徒さんが
ここにいるような気がしました。
“一生モノの音楽”
その土台作りを見せてもらえた気持ちで学校を後にしました。
取材 本間
- [ « 前 ] こども音楽コンクール東日本優秀演奏会 雄踏中が優秀賞!
- [ 次 » ] 県新人野球大会 細江中優勝!