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連載第23回 篠原中吹奏楽部を取材!
- 音楽系
- 2010年12月21日
平成22年11月26日(金)、
第53回中部日本吹奏楽コンクール静岡県大会
中学小編成の部で優勝を飾った
篠原中学校を取材しました!
篠原中学校は浜松市西区篠原町、
多くの住宅が立ち並ぶ一角にあります。
近隣には篠原小学校もあり、
訪問した午後4時頃には下校する生徒さんの楽しそうな声で
周辺の小道がにぎわっていました。
職員室に向かうまでに
どの生徒さんも元気良く笑顔で挨拶してくれます。
この日ははじめに吹奏楽部顧問の對馬隆先生に、
お話しをうかがってきました。
今回優勝を勝ち取った
第53回中部日本吹奏楽コンクール静岡県大会
中学小編成の部へは約40人での出場でしたが、
現在は3年生が引退し、
1年生25人、2年生12人で1年生を主体として活動しているとのこと。
地域的にも音楽研究が盛んなことに加え、
篠原中学校には、
継続ができ、地道に頑張ることができる生徒さんが多いそうです。
今回の優勝もそれが深く関わっているのではと感じます。
部活が行われている音楽室へ移動すると、
すでに部員の皆さんが楽器を構えて合奏に備えていました。
大きな声で挨拶していただいた後、
たっぷり練習風景を公開してくれました!
はじめから楽器で音を出して練習する姿を想像していましたが、
まずは自分の声で出したい音を発声。
先生から
「頭の中で音をイメージしなさい。」
との指示が入ります。
その後、
今度は楽器で音を出し、
それが終わると先生から
「修正。」
の指示が入ります。
部員の皆さんは指示通りとなり同士で
自分たちの出した音について話し合います。
「ちょっと高いみたい」
「だいたい合ってるかな?」
声が聞こえてきます。
想像以上に真剣なこの空気に、
物音を立てることさえ失礼な気がして
音楽室の隅で取材をしていた私も終始緊張していました。
その後も、
四分音符をきざむ練習や
三連符での音だし、
低音楽器のチューバ、コントラバスから
中音、高音楽器が加わっていく練習などが
行われていきます。
その度に對馬先生から
「指揮に反応しなさい、まだ(指揮棒を)下ろしてないでしょ。」
「音の形をどうしたいのか考えて。」
「息の流れがその音にちょうどいいか考えなさい。」
「響き方に注意しなさい。」
など様々な指導が行われます。
練習前にお話しをうかがった對馬先生の
おだやかな口調は変わり、
厳しい態度で部員の皆さんを指導します。
中には最近担当する楽器が変わった部員もいるようで、
「楽器の変わった子に気を遣いなさい。」
との指示もありました。
しかし、
どのような指導にも部員の皆さんは先生のほうを見つめ
「はい!」
と返事をし、真剣に自分の出す音を改善していきます。
吹奏楽においては素人の私ですが、
音楽の世界では
これほどまでに音に対して細かく意識をするものなのだと驚き、
また感心しました。
チューナーを使った練習では、
最初はチューナーを見ず、
後で答え合わせをするように確認を行います。
このとき私は、
でもそもそも“ちょうどいい音”とはどういう音なんだろう?
と、その感覚になじみがなく
ただ部員の皆さんの様子をうかがうことしかできませんでした。
その部員の皆さんも試行錯誤している様子。
“ちょうどいい音”を出すということが
このように難しいとは・・・。
はれやかな舞台で美しい演奏を披露している裏側では
こんなに地道な練習が行われていたのですね。
大会優勝への道のりは決して楽なものではありません。
對馬先生はさらに、
「自分のパートの中で一番音の太い人に合わせなさい。」
「(声だしは)体育館ではなくホールで歌うようにしなさい。」
「他の人に出せない音をだす!」
と指導を加えます。
部員の皆さんは音だしの後
自分たちの出した音の中で
違和感を覚えた音を反復練習。
その表情は常に真剣そのものでした。
練習も後半に近づくと、
對馬先生から
「シンバルは1セット12万円だから片方で6万円もするんですよ。」
という豆知識が。
これにはそれまで真剣だった部員の皆さんからも
笑みがこぼれました。
對馬先生の豆知識と部員の皆さんの笑顔で
私もこの時は緊張がほぐれ、
音楽室の空気がなごやかになったような気がしました。
最後に對馬先生がプリントを配ります。
アンサンブルについてお話しているようです。
アンサンブルとは
合奏と違い3〜8人程度の少人数で演奏するもので、
指揮者がいないのだそうです。
“他のパートが何をしているか”
“誰と同じハーモニーか”
“和音”
“CDを聞く”
“合図は目、体、楽器で送受信”
などが重要になる!
ことなど、そこにはアンサンブルの練習にあたっての
必要な知識について説明されているようでした。
今日の練習を振り返りこの日の部活動は終了。
皆さんの元気な挨拶をいただき、
音楽室をあとにしました。
文化部とはいえ練習の厳しさは運動部並み。
それでいて部員の皆さんは
活き活きと練習に励んでいる様子でした。
また、この日数時間取材をしただけでも、
後半にゆくにつれて音がキレイになっていくことが
素人の私にも分かり、篠原中学校の実力を実感。
この日はじっくり練習を見せていただきありがとうございました。
今後も音楽の街浜松といわれるこの地域の代表として
活躍されることをお祈りしています。
これからも練習頑張ってください!
第53回中部日本吹奏楽コンクール静岡県大会中学小編成の記事へ
取材:吉田博美
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